2013年3月26日火曜日

青い目のパーサー(NW編)


初めて乗った飛行機はノース・ウエストだった。
アメリカの航空会社で今はもう合併していてない。
機体もなんだかガタピシしているが一応ジャンボ機。

しかし、人件費の削減か、日本のように綺麗なCAさんがいるわけでなし、
お茶・コーヒー・機内食などのサービスは、上の絵のようなパーサー。
僕の列の後ろの方から「テイー、オア、カフィ?」と、いって近づいてくる。
僕は、コーヒーが飲みたかったので「カフィ、プリーズ。」と言おうと思って、
一列ごとに「テイー、オア、カフィ?」と言ってパーサーが動くごとに、
心の中で「カフィ、プリーズ。カフィ、プリーズ。」と、練習していた。

いよいよ、彼が近づいてくる。
あと、一列。「カフィ、カフィ、カフィ」と呪文のように唱える。
その時、香水の香りが僕の鼻を突いた。
・・・え?こ・香水?・・・動揺した僕の目の前に青い目が、
「テイ、オア、カフィ?」

僕はなにがなんだかわからなくなって、出た言葉が、
「なんですか〜?」
パーサーはますます、きりっとした顔でもう一度、
「テイ、オア、カフィ」
と、一言一言ゆっくり言った。
香水が鼻を突く。
混乱した僕の目にカートの上の[PEPSI]の文字が留った。
思わず、「ペプシ、プリーズ。」と言ってしまった。

パーサーは黙って小さな透明なカップを手に取り、
チョビチョビっと注ぐと前の席へと去っていった。
通路いっぱいに香水が香る。
僕は小さなカップに入ったペプシコーラをぐいっと一息に飲み干した。
(TT)

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