2013年11月17日日曜日

長崎で行われた「第9回 長時間透析研究会」に参加しました。



今回、長崎まで行ってみようと思ったのは、
この研究会で医師の研究会には珍しく患者参加を歓迎しており、
プログラムにも透析経験の豊かな患者さんお二人の発言の枠もあるからです。

学会や薬剤会社系のサイト、医療系サイトへは患者は入れません。
これは我々患者には見せたくないもの聞かせたくない、と言うものがあるんだな。
と思っていたんですが、この研究会では患者の発言の機会があるばかりか、
医師のディベートやディスカッションすべて患者さんにも見てもらおうという趣旨でした。

これは歴史だ!目撃者になろう!と早速、参加表明いたしました。
第9回
長時間透析研究会
【日本の透析を今一度洗濯いたし申し候】

なかでも興味を引くのは10:00からの
長時間透析研究会指定セッション
「ディベート方式」
長時間高血流透析VS長時間低血流透析〜どちらがいいの?〜
高血流透析派
援腎会鈴木クリニック     鈴木一裕
菅沼会腎内科世田谷クリニック 菅沼信也

低血流透析派
かもめ大津港クリニック    西山敏郎
かもめクリニック       金田浩

しかしこの議論は高血流派が長時間と言っても5時間〜6時間程度を前提にしており、
かたや、かもめクリニックは日本でも数少ない8時間以上透析を行っており、それを前提にしての低血流透析である。

高血流透析派はHDFなどを導入し積極的に透析効率を上げる事に取り組んでいる。
低血流透析派はオーバーナイトを導入し長時間でも苦痛の無い透析を勧め食事も自由食とし、塩分以外の指導はしていない。

どちらにも長短があるようで、これは患者の選択に任せても良いのではないか?

午前中の見所の一つに11:00~11:30「透析患者からのメッセージ」
1、透析とともに生きて
  所属;兵庫県 神戸元町クリニック
     森本幸子

2、透析とともに生きる幸せ
  所属;滋賀県 第2富田クリニック
     畠山岳士

森本幸子さんは透析歴40年になる現在も在職でご活躍中の女性です。
様々の体験・経験をご自分の努力と医師との協力で乗り越えてこられました。
これからもどんな事があるか、分からないが試行錯誤しながら元気に活躍してくれるでしょう。

畠山岳士さんは滋賀県で臨床工学技士としてご活躍中です。
そして透析歴25年の患者さんでもあります。
この方のお話は明るい。この明るいという個性は透析には必要だと思います。
氏は透析で一度無くなった人生。新しい人生を与えてもらったのだから、
明るく楽しく生きようというお話。
現在、在宅透析で家族と一緒に楽しくお元気に透析を続けられている。

そして、〆は
長崎シンポジウム
長時間透析は果たしてベストな透析なのか?〜長時間透析の光と影
長時間透析施設からの報告と長時間透析にこだわらない施設からの報告

こちらは見所たっぷりで12の演題が続けて出てきます。
長時間を推す施設、長時間をあえて推さない施設。
その長時間透析による光と影を演題のあとディベートで論議する。



長時間透析でも血流は多い方が良い。


医療法人 松江腎クリニック


草刈万寿夫

始めは週3回4時間on line HDFの透析を血流を高くして続けることによって良い結果が出ると信じてやってきた。しかし、長時間を行っている先生方のご講演を拝聴したり、直接のご指導を賜り、時間の延長が患者の生命予後に必ず良い効果が得られるものと信じ実践してきた。

しかし、高効率透析(長時間、あるいは頻回、高血流)のHDFでは低リン、低カリウム、低アルブミン、などの対処が必要である。が、患者の長期生存の為には必要である、と確信している。



高血流オンラインHDFのデメリット


〜高血流online HDFによるアルブミン・アミノ酸漏出の影響〜


下門クリニック


下門 清志

下門先生のご講演は難しく医療の基礎のない私ども患者には難しかった。
高血流、高効率のonlineHDF透析を長期間続けるとアミノ酸・アルブミンの流出が起こるだけでなくミトコンドリア機能異常と筋肉異化という重大なリスクを生む危険性をはらんでいると言う。

長時間透析を忌避する患者に対し苦悩しながらもより良い透析を提案する。
伊達クリニック
伊達敏行

長時間透析は非常に魅力的ではあるがまだ、それを選択して提供している施設は少ない。
なぜか、それは医療者側の医療に対する想いや姿勢と患者サイドの価値観と時間的拘束に対する考えのバランスの違いによるものと思っている。
長時間透析とは週3回1回6時間以上となっているが患者サイドが考える標準透析は4時間で5時間でさえも忌避する傾向が強い。
-----------------------------------------------------------

長時間透析が生命予後が良いのはほぼ明らかなようだ。
それを否定する医師はいない。
ところがコストは長時間のそれの方が係る。
それはクリニック側の持ち出しとなると言われている。
それから人員増強の問題がある。
長時間透析を阻むのは一にスタッフ、二に患者、三にドクター
つまり、長時間透析は一部のドクターの使命感によって、スタッフを説得し、
患者を説得しもっと良い透析、もっと体調が良くなるようにしようよ、
ということで、行われている透析で普及されているわけではない。

あいかわらず週3回で4時間の透析でほとんどの施設で行われているのが実情で、
その患者達は透析をやっていれば元気に暮らしていける、という妄想を信じて、
透析を受けているがいずれ襲いかかってくる数々の合併症に悩まされて、
健康人の半分しか無い余命で人生を終わる事になるのに気づかされていないのだ。

また、透析患者の年齢層によっても透析に対するモチベーションの違いがある。
日本の透析患者の導入年齢は67歳を超えている。
つまり、仕事を退職し老後を送る年齢層である。
大半の透析患者がそれほどの長期延命を期待しているわけではない。
しかし、腎臓病や糖尿病、若くして透析に至る若者はこれからも一定の割合で
出てくるはずである。
この方達の未来は老人と一緒のそんなに未来の無いものでいいのだろうか?
大多数の老人の為の透析システムのなかに埋もれていってしまうのではないか?

IPSを使った多機能人工腎臓、移植の更なる普及化、
人工腎臓の携帯化。
穿刺の苦痛からの解放。

尚、いっそうの腎不全患者の選択の幅を広げていってほしい。
30万透析患者の夢である。


のりさんの透析人生

こんにちは。このブログを応援してくれる君は
上の人工透析バナーをクリックしてね!
ランキング表がでてくるよ。


のりさんの透析

0 件のコメント:

コメントを投稿